このページは、群馬県家庭教師センターにて中学生を指導する先生向けのマニュアルです。
特に、勉強が苦手な生徒様や、定期テストで思うように点数が取れていない生徒様を担当する際に意識していただきたい考え方をまとめています。
勉強が苦手な生徒様には、次のような状況がよく見られます。
こうした状態では、授業中に分かりやすく解説しても、なかなか点数にはつながりません。
なぜなら、テストで点を取るには「分かる」だけでなく、実際に自分で問題を解く経験が必要だからです。
勉強が苦手な生徒様への指導では、以下を基本方針としてください。
家庭教師の役割は、問題を解説することだけではありません。
特に勉強が苦手な生徒様に対しては、「何を、いつ、どのくらいやるか」を一緒に管理することが非常に重要です。
多くの生徒様は、学校ワークをテスト前にまとめて終わらせようとします。
これでは、学校ワークが「勉強道具」ではなく「提出物」になってしまいます。
中学生の場合、学校ワークは提出物として内申点にも関わるため、やらないという選択肢は基本的にありません。
だからこそ、学校ワークを日常学習に組み込み、テスト前に慌てて終わらせる状態を避ける必要があります。
勉強が苦手な生徒様ほど、「ワークを1回終わらせたら勉強完了」と考えがちです。
しかし、1回解いただけで定着する生徒様は多くありません。
先生からは、できるだけ早い段階で次の考え方を伝えてください。
| 周回 | 目的 | やること |
|---|---|---|
| 1周目 | 現状確認 | まず自力で解く。分からない問題・間違えた問題に印をつける。 |
| 2周目 | 弱点補強 | 1周目で間違えた問題だけ解き直す。 |
| 3周目 | 定着確認 | 2周目でも怪しかった問題をもう一度解く。 |
すべての問題を3回解く必要はありません。
大切なのは、できなかった問題を放置しないことです。
勉強が苦手な生徒様に対して、学校ワークを最初から最後まで同じ重みで取り組ませる必要はありません。
特に平均点を目指す段階の生徒様にとっては、応用問題に長時間使うよりも、基本問題を確実に解けるようにする方が点数につながりやすいです。
| 優先度 | 問題の種類 | 扱い方 |
|---|---|---|
| 高 | 基本問題・確認問題・計算問題 | 必ず自力で解けるようにする。2周、3周の対象。 |
| 中 | 標準問題 | 基本ができている場合に取り組む。できなければ先生が解説。 |
| 低 | 応用問題・発展問題 | 生徒様のレベルにより取捨選択。無理に時間をかけすぎない。 |
応用問題は大切ですが、生徒様の状況によっては優先順位を下げるべき場合があります。
例えば、基本問題がまだ不安定な状態で応用問題に20分、30分とかけてしまうと、結果的に演習量が減ってしまいます。
そのため、先生が次のようにルールを決めてあげてください。
目的は、応用問題を軽視することではありません。
あくまで、生徒様の現状に合わせて、限られた時間を最も点数につながりやすい部分に使うためです。
テスト前にワークを終わらせることに追われてしまうと、肝心の復習時間がなくなります。
本来、テスト前にやるべきことは以下です。
そのためには、テスト前の時点で学校ワークの1周目が終わっている必要があります。
60分授業・90分授業の中で、次のような流れを意識してください。開始時に前回の確認、終了前に次回までにやることを伝えるのがポイントです。
ただし、生徒の状況や学習環境によっても最適な時間の使い方は変わるため、あくまで参考になります。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 5分 | 前回から今回までの学習状況確認 |
| 10分 | 学校ワーク・宿題の進捗確認 |
| 30分 | 基本問題を中心に演習・解説 |
| 10分 | 間違えた問題の整理 |
| 5分 | 次回までにやる問題を具体的に指定 |
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10分 | 前回の宿題・学校ワーク進捗確認 |
| 15分 | 前回間違えた問題の再確認 |
| 40分 | 新しい単元・基本問題演習 |
| 15分 | 標準問題または苦手問題の演習 |
| 10分 | 次回までの学習計画作成 |
勉強が苦手な生徒様に対して、大量の宿題を出しても継続できないことが多いです。
宿題は「量」よりも「具体性」と「確認のしやすさ」を重視してください。
次回授業では、必ず宿題の確認を行ってください。
「出すだけで確認しない宿題」は、勉強が苦手な生徒様にはあまり効果がありません。
勉強が苦手な生徒様には、責めるよりも、勉強のやり方を一緒に整理する声かけが有効です。
| 場面 | 声かけ例 |
|---|---|
| ワークが進んでいない時 | 「テスト前にまとめてやると大変だから、今のうちに少しずつ進めよう」 |
| 答えを写していそうな時 | 「答えを見るのは悪いことじゃないけど、見た後に“なぜそうなるか”を確認しよう」 |
| 応用問題で止まっている時 | 「この問題は今は時間をかけすぎなくて大丈夫。まず基本問題を確実にしよう」 |
| 基本問題ができた時 | 「ここができるようになると、テストで取れる点数がかなり増えるよ」 |
| 宿題を少しでもやってきた時 | 「ちゃんと進められているね。このペースを続けられるとかなり良いよ」 |
必要に応じて、保護者様にも次のような内容を共有してください。
勉強が苦手な生徒様の場合、指導報告書には単元名だけでなく、学習習慣やワーク進捗についても記載してください。
勉強が苦手な中学生にとって、成績が伸びない最大の原因は、単に理解力が低いからではありません。
多くの場合、自力で問題を解く演習量が圧倒的に不足していることが原因です。
そして、その演習量不足を改善するために最も身近で重要な教材が、学校ワークです。
生徒様の状況によって、最適な進め方は変わります。
ただし、勉強が苦手な生徒様ほど、先生が学習の優先順位を整理し、日々の演習量を増やすサポートをすることが重要です。
ぜひ日々のご指導の中で意識していただけますと幸いです。