群馬県家庭教師センター|教師向け

初めて群馬県の高校受験を担当する先生へ

群馬県外のご出身の先生や、中高一貫校出身で高校受験の経験がない先生に向けて、 群馬県公立高校入試の基本と、過去問を使った実践的な指導方法をまとめています。

このページで分かること

  • 群馬県公立高校入試の基本的な仕組み
  • 志望校ごとに確認すべき選抜方法
  • 過去問の見方と授業での使い方
  • 5教科の出題傾向と、優先して指導したい内容

1. 群馬県公立高校入試の基本

通学区域は全県一区です

群馬県の公立高校は全県一区です。県内であれば、原則として居住地域にかかわらず志望校を検討できます。 ただし、毎日の通学時間や交通手段は高校生活に大きく影響するため、進路相談では必ず確認してください。

公立高校は5教科の学力検査が基本です

全日制課程選抜では、国語・数学・英語・社会・理科の5教科について、県教育委員会が作成した共通問題を使用します。 各教科は原則100点満点・50分で、英語にはリスニングが含まれます。

学力検査だけで合否が決まるわけではありません

合否は、5教科の学力検査、調査書、インタビューシートを参考にした面接等、 学校が定める検査の結果などを総合して判断されます。 高校によっては、実技検査・作文・小論文などを実施する場合もあります。

原則として1校1学科へ出願します

原則として、出願できるのは1校1学科・系・コースです。 ただし、同じ高校内で複数の学科等があり、高校側が認めている場合は第2志望を設定できることがあります。

出願後に志願先を変更できる期間があります

群馬県では、定められた期間内で志願先を変更できる仕組みがあります。 倍率を見て変更を検討するご家庭もありますが、倍率だけで安易に判断せず、本人の希望や通学、学科内容を含めて考える必要があります。

年度ごとの確認が必要です
入試日程、募集定員、検査内容、提出書類等は変更される可能性があります。 必ず受験年度の実施要項と、志望校の「選抜方法等」を確認してください。

2. 高校ごとに選抜方法が異なります

同じ県の共通問題を受けても、何を重視して合格者を決めるかは、高校・学科・コースによって異なります。 先生の経験や一般的な偏差値だけで判断せず、必ず志望校の公式資料を確認してください。

学力検査

  • 5教科の比重
  • 傾斜配点の有無
  • 教科内の配点変更の有無

調査書

  • 評定の扱い
  • 学校生活・活動歴の扱い
  • 検定や部活動等の評価

学校独自の検査

  • 個人面接・集団面接
  • 英語面接
  • 作文・小論文・実技
「偏差値が同じくらいだから、同じ対策でよい」とは限りません。 志望校の選抜方法を確認してから、教科・内申・面接等の優先順位を決めてください。

3. 過去問指導の基本

過去問は、単に点数を測るための教材ではありません。 現在の得点源、失点の原因、時間配分を確認し、残り期間の学習計画を決めるために使います。

  1. 最初は現在地の確認に使う
    未習範囲が多い時期は、時間を厳密に測らず、解ける問題と解けない問題を分けても構いません。
  2. 失点理由を分類する
    知識不足、解法の理解不足、問題文の読み違い、計算ミス、時間不足に分けます。
  3. 正答率の高い問題から復習する
    難問より先に、多くの受験生が正解している問題や、本人があと一歩で解けた問題を取り直します。
  4. 類題で定着を確認する
    解説を読んで理解しただけでは不十分です。数日後に類題を自力で解けるか確認してください。
  5. 入試が近づいたら50分で通して解く
    本番と同じ時間で解き、着手順、見直し時間、飛ばす問題の判断まで練習します。
国語・社会の公式公開問題は、著作権の関係で本文や資料が一部省略される場合があります。 実戦演習には、市販の過去問題集も併用してください。

4. 数学の傾向と対策

直近の県共通問題

令和8年度:大問1は40点

令和7年度:大問1は41点

大問1は、計算や各領域の基礎・標準的な小問が中心です。 100点のうち約4割を占めるため、数学が苦手な生徒様ほど、難しい関数や図形の最終問題より先に、大問1の完成度を上げる必要があります。

まずは大問1を得点源にしてください

令和8年度の大問1は40点でしたが、受検者平均は26.7点でした。 基礎問題中心であっても、多くの受験生が取りこぼしています。 計算方法を知っているだけでなく、限られた時間で正確に解き切る練習が必要です。

数学が苦手な生徒様への優先順位

  1. 大問1のうち、正負の数・文字式・方程式・平方根などの計算を安定させる
  2. 確率、資料の活用、関数、図形などの基本小問を単元別に復習する
  3. 大問1を時間を測って繰り返し、ミスの種類を記録する
  4. 大問2以降の前半にある、比較的取り組みやすい設問を拾う
  5. 最後に、志望校の目標点に応じて関数・図形・証明などの応用へ進む

目標点別の考え方

目標点の目安 指導の中心
30~40点 大問1の基本計算と、得意単元の小問を確実に取る
50~60点 大問1の完成度を高め、大問2以降の前半・基本設問を取る
70点以上 大問1の取りこぼしを最小限にし、関数・図形・記述問題へ対応する

難問に時間を使いすぎない

令和8年度の大問5は17点の配点に対し、受検者平均は4.5点でした。 志望校の目標点によっては、最終問題の完答を狙うより、大問1と各大問の前半を確実に取る方が得点につながります。 生徒様の目標点に合わせて、「解く問題」と「後回しにする問題」を決めてください。

先生に実践してほしいこと

  • 過去問の大問1だけを年度別に解かせ、得点と所要時間を記録する
  • ミスを「知識不足」「計算ミス」「読み違い」に分類する
  • 間違えた単元を学校ワークや薄い総復習教材に戻って補う
  • 正解した問題も、途中式が不安定なら解き直す
  • 志望校の傾斜配点や教科内配点の変更がないか確認する

5. 英語の傾向と対策

英語は、リスニング、会話文、長文読解、英作文などを通して、「聞く・読む・書く」を総合的に問う構成です。 単語や文法を覚えるだけでなく、文章や会話の中で使える状態にする必要があります。

優先して指導したいこと

  • 単語・基本文法:長文に入る前に、教科書レベルの語彙と基本文型の抜けを確認する
  • リスニング:選択肢を先に読み、人物・時間・場所・目的を意識して聞く
  • 長文読解:設問を先に確認し、根拠となる英文を探す練習をする
  • 英作文:難しい表現よりも、知っている語句と文法で正確に書く
英語が苦手な生徒様には、長文を最初からすべて訳させるのではなく、設問に必要な情報を探す読み方も教えてください。

6. 国語の傾向と対策

国語は、説明的文章・文学的文章・語句や文法・資料の読み取り・作文や記述など、幅広い力が問われます。 「何となく」で答えず、本文中の根拠を見つける習慣を付けることが重要です。

優先して指導したいこと

  • 選択肢の根拠を本文中から探し、合わない部分も説明させる
  • 指示語、接続語、対比、因果関係に印を付ける
  • 記述問題は、設問の条件と必要な要素を分けて考える
  • 作文は、結論・理由・具体例の型を決めて時間内に書く
国語は短期間で伸びないと決め付けず、漢字・語句・文法・作文の型など、対策しやすい部分から得点を積み上げてください。

7. 理科の傾向と対策

理科は、生物・化学・物理・地学の基礎知識に加え、観察・実験、図表、計算、結果の考察が問われます。 用語を覚えるだけでなく、実験の目的・操作・結果・考察をつなげて理解する必要があります。

優先して指導したいこと

  • 4分野の基礎事項を薄い総復習教材で一通り確認する
  • 実験器具の使い方、手順、安全上の注意を整理する
  • グラフの軸・単位・変化している条件を確認する
  • 計算問題は公式暗記だけでなく、単位と数量関係から考える
  • 記述問題は、実験結果を根拠として短く説明する
理科は広い範囲から出題されます。苦手分野だけに時間をかけすぎず、まず全分野の基本問題を取れる状態にすることが大切です。

8. 社会の傾向と対策

社会は、地理・歴史・公民の知識に加え、地図、統計、年表、写真、資料文などを読み取り、比較・関連付けて考える力が問われます。

優先して指導したいこと

  • 地理:地図上の位置と、気候・産業・人口などを関連付ける
  • 歴史:出来事を単独で覚えず、時代の流れと因果関係を整理する
  • 公民:制度名だけでなく、目的・仕組み・社会との関わりを理解する
  • 資料問題:表題・年代・単位・最大値と最小値・増減を先に確認する
  • 記述問題:資料中の事実を根拠として、結論を簡潔に書く
一問一答は知識確認には有効ですが、それだけでは資料問題や記述問題に対応できません。覚えた知識を資料と結び付ける練習を行ってください。

9. 先生が最初に確認すること

  • 第一志望校と併願校はどこか
  • 高校名だけでなく、学科・コース・特待区分まで確認したか
  • 最新の選抜方法と募集要項を確認したか
  • 直近の模試・実力テスト・通知表を確認したか
  • 5教科それぞれの目標点を決めたか
  • 過去問を解き、取るべき問題と後回しにする問題を整理したか
  • 授業外で取り組む内容を具体的に決めたか
  • 本人・保護者様・先生の間で目標が共有されているか
判断に迷った場合
志望校の選び方、必要な得点、科目や授業回数、教材、面接・作文対策などについて迷った場合は、 先生だけで判断せず、群馬県家庭教師センターへご相談ください。