群馬県家庭教師センター|教師向け実務マニュアル

群馬県の高校受験を担当する先生へ

このページは、高校受験を控えた中学生を担当する先生が、授業や進路相談で迷わず行動するための実務マニュアルです。
問題の解説だけでなく、志望校から逆算した優先順位、家庭学習の管理、ご家庭への報告までを一緒に支えてください。

最初に大切なこと

先生一人で合否を判断したり、進路変更を勧めたりする必要はありません。 判断に迷うことや、ご家庭との認識に違いがある場合は、早めにセンターへご相談ください。

1. 家庭教師に求められる役割

受験生への指導では、分からない問題を解説するだけでは十分ではありません。 生徒様の現在地と志望校までの距離を確認し、限られた時間の中で「何を優先するか」を整理することが大切です。

  • 現在の学力と苦手単元を把握する
  • 志望校・受験方式に応じて学習の優先順位を決める
  • 次回までに取り組む内容を具体的に決める
  • 宿題の実施状況を確認し、量や難易度を調整する
  • 小さな成長を言葉にして、生徒様の自信につなげる
  • 授業の様子や今後の課題をご家庭へ共有する
「何を教えたか」だけでなく、「次の授業までに生徒様が何をするか」まで決めて、初めて一回の授業が完結します。

2. 担当開始時に確認すること

初回から数回の授業で、以下の内容を確認してください。一度にすべてを聞き出す必要はありません。 生徒様との関係をつくりながら、分かる範囲から整理していきましょう。

進路について

  • 第一志望校・併願校
  • 学科・コース・特待区分
  • 公立と私立のどちらを優先するか
  • 本人と保護者様の希望が一致しているか
  • 面接・作文・実技などの有無

現在の学力について

  • 直近の実力テスト・模試の結果
  • 通知表・内申の状況
  • 教科ごとの得点と苦手単元
  • 学校ワーク・教材の進み具合
  • 定期テストや模試の解き直し状況

学習状況について

  • 家庭学習の時間と頻度
  • 宿題を一人で進められるか
  • 勉強を始められない理由
  • 集中しやすい時間帯や環境
  • 学校への登校状況や生活リズム
確認したい資料
可能であれば、模試・実力テスト・通知表・学校ワーク・受験予定校の募集要項を実際に見せてもらってください。 本人やご家庭の印象だけで判断せず、資料をもとに現在地を把握することが大切です。

3. 志望校から逆算した指導計画

① 受験科目と選抜方法を確認する

公立高校と私立高校では、必要な教科や選抜方法が異なります。 同じ高校でも、学科・コース・推薦・特待区分などによって基準が異なることがあります。 必ず、その年度の学校公式情報や募集要項を確認してください。

② 合格までの差を整理する

模試の判定だけを見るのではなく、教科別の得点、設問別の正答状況、内申、残り期間を確認します。 「あと何点必要か」だけでなく、「どの問題なら今後取れるようになりそうか」まで考えてください。

③ 得点につながりやすい内容から優先する

受験までの時間が限られている場合、すべての単元を同じ深さで学び直すことはできません。 基礎問題、頻出単元、正答率が比較的高い問題、本人があと一歩で解ける問題を優先します。

④ 定期的に計画を見直す

学校のテスト、模試、過去問の結果を踏まえ、優先順位を調整してください。 最初に立てた計画を守ることよりも、現在の状況に合わせて修正することが重要です。

志望校が決まっていない場合

無理に一校へ決めさせる必要はありませんが、目標がないままでは学習の優先順位も決めにくくなります。 通学距離、学びたい内容、部活動、校風、卒業後の進路などを話しながら、仮の目標校を置くことも有効です。

4. 毎回の授業の進め方

流れ 行うこと
授業開始時 学校の進度、テスト予定、前回の宿題、困っていることを確認する
前回の確認 宿題を答え合わせするだけでなく、理解して解けているかを確認する
当日の指導 説明だけで終わらせず、生徒様自身が解く時間を十分に確保する
授業の終わり 今日できるようになったことと、まだ難しいことを整理する
次回まで 宿題のページ・問題番号・期限・優先順位を具体的に決める
先生が説明して生徒様が「分かった」と答えても、自力で解けるとは限りません。 類題を一人で解いてもらい、途中式や考え方まで確認してください。

5. 宿題と家庭学習の管理

宿題は「実行できる量」にする

学習習慣がない生徒様に大量の宿題を出しても、手を付けられずに終わることがあります。 最初は「計算問題を2問」「英単語を5個」など、確実に始められる量から設定してください。

最低限と追加分を分ける

「必ず取り組むもの」と「余裕があれば取り組むもの」を分けると、優先順位が明確になります。 ページだけでなく、問題番号や取り組む日まで決めると実行しやすくなります。

できなかった理由を確認する

宿題をしていない場合、すぐに叱るのではなく、量が多かったのか、内容が難しかったのか、始め方が分からなかったのかを確認してください。 原因に合わせて、量・難易度・提示方法を調整します。

出した宿題は必ず確認する

宿題を出しっぱなしにすると、生徒様にとって優先度の低いものになります。 次回の授業で必ず確認し、取り組めた部分を具体的に評価してください。

6. 模試・実力テストの活用

模試は判定を見るだけでなく、今後の学習内容を決めるために使います。 点数が低かった場合も、叱ったり落ち込ませたりするのではなく、取れるはずだった問題を一緒に探してください。

  1. 未習範囲を除く:まだ学習していない問題は、現時点の弱点と分けて考えます。
  2. 正答率の高い不正解を確認する:多くの受験生が解けている問題は、優先して復習します。
  3. 失点理由を分ける:知識不足、解き方の理解不足、計算ミス、時間不足などに分類します。
  4. 類題を解く:解説を読んで終わらず、似た問題を自力で解けるか確認します。
  5. 次の目標を決める:次回の模試で上げたい教科や、取れるようにしたい問題を具体化します。
模試の判定や偏差値は、受験者層、判定対象のコース、模試会社によって異なります。 学校全体の難易度と、特定のコース・特待区分の判定を混同しないよう注意してください。

7. 保護者様への報告

保護者様は、授業中の様子をすべて見ているわけではありません。 授業後には短時間でも、できたこと・課題・次回までの方針を共有してください。

報告例

「今日は一次関数の式の立て方を確認しました。基本問題は一人で解けるようになっています。 文章から条件を読み取る問題にはまだ難しさがあるため、次回も類題を使って練習します。 次回までの宿題は、ワークの○ページの1番から4番です。」

報告時の注意点

  • 課題だけでなく、できたことも必ず伝える
  • 「やる気がない」などと決め付けず、見られた行動を具体的に伝える
  • 生徒様の前で、必要以上に否定的な報告をしない
  • 料金・契約・科目変更などは、その場で約束せずセンターへ共有する

8. 不登校・学習習慣がない生徒への対応

学校へ通えていない生徒様や、長期間学習から離れている生徒様に対しては、最初から受験勉強の量だけを求めても続かないことがあります。 まずは先生との関係づくりと、決まった時間に机へ向かうことから始めてください。

  • 雑談も交えながら、安心して話せる関係をつくる
  • 現在の学年にこだわらず、理解できている地点まで戻る
  • 短時間で終えられる課題から成功体験をつくる
  • 本人が興味を持っている学校や将来について話す
  • 生活面や体調面の問題を、家庭教師だけで解決しようとしない
学習を進めることは大切ですが、医療・心理・家庭環境など、家庭教師の専門範囲を超える問題もあります。 心配な状況がある場合は、先生だけで抱え込まずセンターへご連絡ください。

9. 時期別の指導方針

時期 主な取り組み
4月~7月 学校授業の理解、定期テスト、提出物、基礎単元の確認、志望校の情報収集
夏休み 中学1・2年生の範囲を含む総復習、苦手単元の洗い出し、家庭学習時間の確保
9月~11月 実力テスト・模試の復習、志望校の具体化、内申につながる定期テスト・提出物への対応
12月~入試 過去問、得点戦略、時間配分、頻出単元の復習、面接・作文など受験方式に応じた対策

※時期は目安です。生徒様の学力、志望校、受験方式、登校状況などに応じて調整してください。

10. センターへ相談してほしいこと

次のような場合は、先生だけで判断せず、早めにセンターへご相談ください。

  • 志望校や受験方式に対して、現在の指導科目・時間が足りないと感じる
  • 教材の追加や変更が必要だと感じる
  • 宿題が継続的に実施されず、指導計画が進まない
  • 本人と保護者様で、志望校や学習方針に大きな違いがある
  • 不登校、体調、精神面などで、通常どおり授業を進めることが難しい
  • 授業回数・科目・指導時間の変更を希望された
  • ご家庭から契約や料金について質問を受けた
  • 受験終了まで継続することが難しくなった
早めに共有いただければ、ご家庭への確認、教材選定、科目や授業時間の調整などをセンターでも一緒に進められます。

先生方へ

受験指導では、すべてを一度に完璧にする必要はありません。
生徒様の現在地を確認し、志望校に向けて優先度の高いことから、一つずつ取り組んでください。

生徒様が「何をすればよいか分かった」「前よりできるようになった」と感じられる授業を積み重ねることが、学習への自信と継続につながります。 先生だけで抱え込まず、ご家庭・先生・センターで情報を共有しながら、受験まで一緒に支えていきましょう。