群馬で公立一貫校を中学受験すべきと中等1期生の私が言う理由
この記事では、中央中等1期生で慶應大学・大学院卒の代表吉田が、
「すべてのお子様が公立中高一貫校を検討するべき」
と考える理由をお伝えします。
群馬県公立中高一貫校の大学合格実績や倍率、試験内容についても紹介しておりますので、ぜひ情報収集の助けになれば幸いです。
2024年09月:
なお、最初の執筆から時間が経ちましたので、情報の更新や加筆を行なっております。
目次
群馬県の公立中高一貫校は3校
- 群馬県立中央中等教育学校:https://chuo-ss.gsn.ed.jp/
- 伊勢崎市四ツ葉学園中等教育学校:http://www.yotsuba-ss.ed.jp/
- 太田市立太田中学校 :http://www.ota.ed.jp/ota-j/index.html
学区などは関係なく、群馬県在住ならだれでも受験できますが、受験日は全て同じ日なので上記のうち1校に絞る必要があります。
2022年大学合格実績
群馬県立中央中等教育学校
東大・京大 | 一橋・東工大・旧5帝大 | 国公立大学 | 早稲田・慶應・上智 | GMARCH | 医学部 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 11 | 57 | 45 | 82 | 12 |
伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校
東大・京大 | 一橋・東工大・旧5帝大 | 国公立大学 | 早稲田・慶應・上智 | GMARCH | 医学部 |
---|---|---|---|---|---|
3 | 9 | 55 | 13 | 36 | 4 |
太田市立太田中学校
東大・京大 | 一橋・東工大・旧5帝大 | 国公立大学 | 早稲田・慶應・上智 | GMARCH | 医学部 |
---|---|---|---|---|---|
0 | 3 | 25 | 6 | 16 | 2 |
以下は群馬県No.1である前橋高校の2022年の合格実績です。
前橋高校
東大・京大 | 一橋・東工大・旧5帝大 | 国公立大学 | 早稲田・慶應・上智 | GMARCH | 医学部 |
---|---|---|---|---|---|
19 | 41 | 197 | 83 | 163 | 28 |
1学年の人数はおよそ280人で、中央中等や四ツ葉の約2.3倍と考えてもすごいですね。
次に、以下は太田高校の2022年の合格実績です。
太田高校
東大・京大 | 一橋・東工大・旧5帝大 | 国公立大学 | 早稲田・慶應・上智 | GMARCH | 医学部 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 21 | 115 | 41 | 143 | 不明 |
太田高校も1学年の人数はおよそ280人ですので、2022年の合格実績だけで見ると、前橋高校>中央中等>四ツ葉>太田高校>太田中といった感じでしょうか。
2023年大学合格実績
続いて、2023年の大学合格実績です。※()内の数字は現役生の数を表しています。
市立太田と太田高校の実績は分かり次第、更新します。
群馬県立中央中等教育学校
東大 | 京大 | 東工大 | 一橋大 | 早慶 | 医学部医学科 |
5(4) | 3(3) | 3(3) | 2(2) | 51(40) | 27(20) |
伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校
東大 | 京大 | 東工大 | 一橋大 | 早慶 | 医学部医学科 |
2(2) | 1(-) | 1(-) | 0 | 14(7) | 4(4) |
以下は前橋高校の2023年の合格実績です。
前橋高校
東大 | 京大 | 東工大 | 一橋大 | 早慶 | 医学部医学科 |
5(3) | 7(7) | 1(1) | 1(1) | 33(30) | 26(22) |
2023年は中央中等が大躍進を果たしています。
前橋高校と1学年の人数は2.3倍ほどあるにも関わらず、合格者数は遜色ない結果です。難関大合格者率でいえば、2023年に関しては中央中等が上回っていると言って良いと思います。
特に医学部医学科の伸びが素晴らしい。昨年から15人も伸ばしています。
中央中等の最初の卒業生が出たのが2010年ですが、前橋高校・高崎高校といった県立トップ伝統校とここまで張り合える存在になっていることは卒業生としても大変喜ばしいです。
時代の流れとともに、中央中等・四ツ葉学園といった公立中高一貫校へ人気が移っていっているように感じます。
今後、太田地域でも同様のことが起こるのかも注目しています。
上記は、偏差値だけ眺めてても見えてこないことなので興味深いですね。
2022年の志願者数・倍率・試験内容
2022年の内容ですが、以下のようになっています。
志願者数及び倍率
学校 | 性別 | 募集定員 | 令和4年度 | 令和3年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
志願者数 | 倍率 | 志願者数 | 倍率 | |||
中央中等 | 男 | 60人 | 178人 | 3.0倍 | 183人 | 3.1倍 |
女 | 60人 | 244人 | 4.1倍 | 206人 | 3.4倍 | |
合計 | 120人 | 422人 | 3.5倍 | 389人 | 3.2倍 | |
四ツ葉学園中等 | 男 | 60人 | 112人 | 1.9倍 | 90人 | 1.5倍 |
女 | 60人 | 129人 | 2.2倍 | 138人 | 2.3倍 | |
合計 | 120人 | 241人 | 2.0倍 | 228人 | 1.9倍 | |
太田中 | 男 | 51人 | 86人 | 1.7倍 | ||
女 | 51人 | 114人 | 2.2倍 | |||
合計 | 102人 | 200人 | 2.0倍 | 267人 | 2.5倍 |
試験内容
- 中央中等教育学校:適性検査1、適性検査2、面接
- 四ツ葉学園中等教育学校:適性検査1、パーソナルプレゼンテーション
- 太田中学校:適性検査1、作文、面接
引用:群馬県教育委員会「令和4年度群馬県公立中等教育学校等入学者選抜志願状況https://www.pref.gunma.jp/site/kyouiku/5028.html
2023年の志願者数・倍率・試験内容
2023年の情報は、以下のようになっています。
志願者数及び倍率
学校 | 性別 | 募集定員 | 令和5年度 | 令和4年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
志願者数 | 倍率 | 志願者数 | 倍率 | |||
中央中等 | 男 | 60人 | 187人 | 3.1倍 | 178人 | 3.0倍 |
女 | 60人 | 226人 | 3.8倍 | 244人 | 4.1倍 | |
合計 | 120人 | 413人 | 3.4倍 | 422人 | 3.5倍 | |
四ツ葉学園中等 | 男 | 60人 | 130人 | 2.2倍 | 112人 | 1.9倍 |
女 | 60人 | 166人 | 2.8倍 | 129人 | 2.2倍 | |
合計 | 120人 | 296人 | 2.5倍 | 241人 | 2.0倍 | |
太田中 | 男 | 51人 | 81人 | 1.6倍 | 86人 | 1.7倍 |
女 | 51人 | 109人 | 2.1倍 | 114人 | 2.2倍 | |
合計 | 102人 | 190人 | 1.9倍 | 200人 | 2.0倍 |
引用:群馬県教育委員会「令和5年度群馬県公立中等教育学校等入学者選抜志願状況https://www.pref.gunma.jp/site/kyouiku/5028.html
試験内容は前年同様なので割愛します。
※各学校の試験内容や対策の詳細は別の記事でまとめております。
いよいよ本題
問われるのは論理的に伝える力
ここで注目していただきたいのが、群馬県内の公立中高一貫校の試験内容です。どの学校も適性検査・作文・面接がメインになっています。
学校ごとに特徴はあるものの、作文や面接で重要なのは「なぜこの学校か?」「この学校でどうなりたいか?」といったことを、論理的に人に伝える力だと思います。
自分の考えを論理立てて人に伝える能力が社会に出てからビジネスマンとして非常に重要なスキルであることは言うまでもありません。
そして、その基本を小さい頃からおさえておくのはお子様の将来のために非常に大きな意義を持つと私は思います。
首都圏の受験戦争的な試験内容ではない
首都圏のいわゆる受験戦争と呼ばれるような詰め込み型の受験対策だと小学生にどこまでがんばらせるかというのは議論の余地があると思います。
首都圏の有名私立中学の問題を見たことがありますか?
算数の問題などを見ると、大人でも解くのは難しいのでは?と思うような問題もたくさんあります。
そのような問題にも対応できるようにするため、首都圏では、小学校中学年から、四谷大塚のテキストで勉強したりということが当たり前になってきています。
それに比べると、県内の中学受験はまだ易しいです。(それでも難しい問題もありますが。)
適度な論理的思考力と、それをベースにした「人に伝える力」が求められる試験内容だからこそ、すべてのお子様が中学受験を検討するべきと断言できるのです。
大学受験で主流になりつつある「総合型選抜」の先駆け?
また昨今、大学入試でも総合型選抜(旧AO入試)が主流になりつつあります。
その試験内容は調査書類・小論文・面接と、公立中学受験と同様です。
「学校の求める人物像」に合致する受験生を選抜する、という試験目的も合致しています。
このような流れを考慮すると、公立中学受験を通じて早くからその訓練をしておくことは、大学受験を有利に進めることにもつながると思います。
進学実績は決して悪くない(むしろかなり良い)
さらに上記で見てきた通り、公立中高一貫校の進学実績は決して悪くなく、むしろ地元の伝統校を肩並べるレベルにあると思います。
なんらかの理由で人生で一回きりの高校受験で思わぬ失敗をするリスクを考えれば、中学受験にトライしておくのはかなりアリな選択だと思いませんか?
中学受験をして、たとえ不合格になってしまっても、高校受験でリベンジの機会があります。
従って、公立中高一貫校の受験を通じて、得るものはあれど失うものは何もありません。
だからこそ、すべてのお子様が「チャレンジしてみるべき」だと私は思うのです。
まとめ
この記事では、中央中等1期生の代表吉田が、全てのお子様が群馬県の公立中高一貫校を検討すべきと考える理由をお伝えしました。
合格・不合格といった結果云々ではなく、チャレンジする過程で習得できる「論理的思考力」「人に伝える力」といったものが、その後の学習、ひいては人生を有利にするということを理解していただけていただけていたら幸いです。
なお、本気で合格を狙いに行く場合、あまり公言すべきでないかもしれませんが(笑)、県内中学受験対策の現状を鑑みると、家庭教師ではなくまずはうすい学園さんや早稲田ゼミさんといった塾に通わせるのが最短ルートだと思います。
「中央中等の定員120人中100人以上がうすい学園出身」など、これだけの実績を上げているということは、上記で述べた「論理的思考力」「人に伝える力」を育むのに、塾のカリキュラムが非常に効果的であるという証拠だと思います。
もし家庭教師を活用する場合は、塾のサポート(塾のテキストや銀本での演習をサポート)するかたちで活用いただくのが良いと思います。
また、中学受験後に待ち受けるさまざまな課題を乗り越え、さらにステップアップしていくためのサポートも得意としております。以下の記事もぜひご参照ください。
大学合格実績や倍率、試験内容について理解していただけましたか?
もしそうでしたら嬉しいです。
今後は、群馬県内の私立の中高一貫校(農大二校/共愛学園/新島学園など)やその他の中学についても紹介していければと思います。