群馬県専門の家庭教師センター代表が県内中高一貫校3校を徹底比較

私は、全てのお子様が県内公立中高一貫校の受験を検討した方が良いと言っておりますが(詳細はこちらの記事をご参照)、いきなりそんなこと言われても、

  • どんな学校があるか
  • それぞれの学校の特徴
  • 試験内容
  • 大学進学実績

といったことがわからないと、検討しようもないですよね。

本記事では、「群馬県の公立中高一貫校ってどんな学校があるの?」という親御さま向けに、全部で3校ある公立中高一貫校を横串で比較しながら紹介していきたいと思います。

これを読んだ全ての親御さまが、各校の特徴や試験内容について理解できていることを目標に執筆するので、ぜひ最後まで読んでください。

それでは本題に移ります!

目次

どんな学校があるの?志願者数や倍率は?

まず群馬県の公立中高一貫校は次の3校です。

  • 県立中央中等教育学校(公式HP)
  • 伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校(公式HP)
  • 太田市立太田中学校(公式HP)

各校の特徴と基本データ

以下が各校の特徴と基本データです。

  • 中央中等教育学校

    ■特徴
    先進的な英語教育に力を入れている。特に英語で自分の意志を表現する英語コミュニケーション能力は授業を始め様々なところで活用されている。明石康氏が設立に携わった。

    設立 2004年4月
    授業料 公立標準額
    所在地 高崎市新保田中町184(新前橋駅から徒歩30分)
  • 四ツ葉学園

    ■特徴
    グローバルや個性を育てる教育に力を入れている。キャリア教育優良校として、文部科学大臣表彰。スーパーグローバルハイスクールアソシエイトとして、文部科学省に指定。

    設立 2009年4月
    授業料 公立標準額
    所在地 伊勢崎市上植木本町1702番地1(伊勢崎駅から徒歩24分)
  • 太田市立太田中

    ■特徴
    普通科における難関大学等への進学指導、商業科における進学・就職指導、部活動における運動部・文化部の上位進出等、個々の生徒の夢や目標を実現させる。

    設立 2012年4月
    授業料 公立標準額
    所在地 太田市細谷町1510番地(東武伊勢崎線細谷駅から徒歩6分)

志願者数や倍率

それでは、実際の志願者数や倍率を見ていきましょう。

群馬県教育委員会のホームページ(https://www.pref.gunma.jp/site/kyouiku/175325.html)から、直近6年分(2018年〜2023年)の志願者数と倍率の表が以下になります。

■志願者数(男女)

学校平成30年度平成31年度令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度
中央中等485473477389422413
四ツ葉学園中等211237268228241296
太田中215277288267200190

■倍率(男女)

学校平成30年度平成31年度令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度
中央中等43.943.23.53.4
四ツ葉学園中等1.822.21.922.5
太田中22.62.72.521.9

これをグラフにすると以下のようになります。

志願者数や倍率の考察

気になるのは令和5年度(2023年の試験)の四ツ葉学園の志願者数と倍率の増加ですね。

この要因の一つに、6年生(2022年時点)柏井 史哉さんの国際化学オリンピック「金メダル受賞」があったのではないでしょうか。(http://www.yotsuba-ss.ed.jp/kasiwai/kokusaiOP)

いや、これ本当にすごいです。一緒にでているメンバーの高校もトップレベル(浅野高校:偏差値72、筑波大学附属駒場高等学校:偏差値78、立命館慶祥高等学校:偏差値66)なので、ここに四ツ葉学園から食い込んで、ましてや金メダルを受賞したことは”快挙”と言っていいと思います。

直井なおい まささん浅野高等学校(神奈川県)3年金メダル
柏井かしわい ふみさん伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校(群馬県)6年金メダル
石川いしかわ 貴士たかしさん筑波大学附属駒場高等学校(東京都)2年金メダル
中地なかち あきらさん立命館慶祥高等学校(北海道)3年金メダル

■過去3年間の日本代表の成績
2019年(第51回 フランス・パリ大会)
    金メダル2名、銀メダル2名(参加規模:80か国・地域、309名)
2020年(第52回 トルコ・イスタンブール大会(オンライン開催))
    銀メダル4名(参加規模:60か国・地域、235名)
2021年(第53回 日本大会(オンライン開催))
    銀メダル3名、銅メダル1名(参加規模:85か国・地域、312名)
引用:国際化学オリンピックに参加した生徒が全員金メダルを獲得しました。https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/1419630_00012.htm

中高一貫校のメリットとして、高校受験がない分、自分が好きなことや得意なことに打ち込みやすい、ということがありますが、柏井さんはまさにそのメリットをうまく活用して化学に打ち込んだのだと思います。

少し話がそれました。

続いて、試験内容を見ていきましょう。

どんな試験なの?配点は?大事なのは「人に伝える力」

各校の試験内容とその配点

まず各校で課している試験内容と、その配点を以下の表で示します。

中央中等の独自問題である「適性検査Ⅱ」は作文に近い内容で、与えられた資料等について、感じたことや考えたことなどをまとめて表現する力が求められます。

中央中等と太田中の「面接」は、グループディスカッション形式で行われます。自分の意見を相手に伝える発信力と他の子の意見を聞いて理解する力が問われます。

四ツ葉学園の「パーソナルプレゼンテーション」は個人面接で、「事前課題」と「当日課題」について自分の考えを口頭で発表し、志望動機についてなどの質疑応答にも応える形式です。

試験内容と配点からわかること

上記を考察してわかるポイントは、以下の3点です。

  • 中央中等と太田中の試験内容は似ている
  • 四ツ葉学園だけ面接が個人面接である
  • 四ツ葉学園だけ作文がない

作文が得意な場合は中央中等か太田中の試験が有利で、面接が得意な場合は四ツ葉学園の試験が有利かもしれません。

ただし、長い目線で見たとき、「論理的な文章を書けること」も「自分の意見を論理立ててわかりやすく説明できること」も両方とても重要ですので、入試対策を通じてバランスよく鍛えられると良いと思います。

各校の試験内容の詳細は別の記事でもまとめているので、より詳しく知りたい場合はそちらもチェックしてください。

最新の合格実績

各校の合格実績表(2019年〜2023年)

以下に、私が調査した2019年〜2023年の各校の東大・京大・東工大・一橋大・慶應大・早稲田大の合格者数(ろん人生含む)を表で示します。
※2023/3/13(月):中央中等と四ツ葉学園の2023年実績を追記しました。

■東大

20192020202120222023
中央中等34025
四ツ葉14122
太田中0000
東大の合格者数推移

■京大

20192020202120222023
中央中等23423
四ツ葉30311
太田中0000
京大の合格者数推移

■東工大

20192020202120222023
中央中等20103
四ツ葉10011
太田中0010
東工大の合格者数推移

■一橋大

20192020202120222023
中央中等10012
四ツ葉10000
太田中0000
一橋大の合格者数推移

■慶應大

20192020202120222023
中央中等14118820
四ツ葉96774
太田中0102
慶應大の合格者数推移

■早稲田大

20192020202120222023
中央中等1813161831
四ツ葉9107510
太田中2313
早稲田大の合格者数推移

各校の合格実績比較グラフ(2019年〜2023年)

これをグラフにすると以下のようになります。※縦軸は人数

合格実績の考察

一学年の人数が、中央中等と四ツ葉学園は120人なのに対し太田中は100人ちょっとなので、太田中にやや不利なことを踏まえても、以下のことが言えると思います。

  • 中央中等と四ツ葉学園のトップ層は超難関国立大学を十分狙える学力を有する
  • 中央中等は早慶に強い

2点目について、私も中央中等出身なので実感があるのですが、中央中等は英語がめちゃめちゃ強いです。授業にしっかりとついていければ、早慶合格レベルの英語力がつきます。

そして、早慶(受験全般かもしれませんが)は英語が得意だとかなり有利です。

なので、中央中等の早慶合格実績が比較的高くなっているのだと思います。

前高・高高・前女・高女と中央中等・四ツ葉学園の直近の合格実績や過去20年以上のデータをもとに東大京大合格実績を考察した記事もご覧ください。

まとめ

この記事では、群馬県公立中高一貫校の特徴・試験内容・進学実績について横串で比較しながら紹介しました。

各校の特徴や試験内容について理解できましたか?

今後は私立中高一貫校の紹介などもしていきたいと思います。

もし県内公立中高一貫校の受験を考えている方は、こちらよりお気軽にご連絡ください。

この記事の執筆者:吉田 圭佑(代表)
吉田 圭佑(代表)
これまで200人以上の生徒を指導してきました。試験科目全体を見据えた合格戦略の策定に自信ありです。◾️略歷:2004年 群馬県立中央中等入学(1期生)→2010年 慶應義塾大学理工学部入学→2014年 慶應義塾大学大学院入学→2016年 銀行系システム会社入社→2022年 同社退職&独立 ◾️保有資格:基本情報技術者、応用情報技術者、ディープラーニングG検定、TOEIC800点等
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