県立前橋高校の2024年度以降の入試制度、受験生に与える影響とは?変更点について解説
前橋市の進学校として知られる県立前橋高等学校が、2024年度以降の入試選抜方法に大幅な変更を予定しています。今後の受験生にとって注目すべきポイントを解説します。
目次
2023年度までの入試制度について
詳細以下の記事で紹介した通りです。
ここでは<前期試験>、<後期試験>の配点割合についておさらいします。
<前期試験>(定員の30%)
- 調査書:50点(50%)
- 特活点:15点(15%)
- 総合問題:30点(30%)
- 面接:5点(5%)
<後期試験>(定員の70%)
- 学力検査点:650点(86%)
- 調査書点:108.33点(14%)
これまでは前期で調査書+特活点で65%と、内申点がそれなりに良く、スポーツなどで優秀な成績なおさめていれば、かなり有利に立ち回ることができる試験制度でした。
2024年度以降の入試制度
2024年度以降の入試制度では以下のように変わります。
<総合型選抜>(定員の80%)
- 学力:650点(81%)
- 面接:45点(6%)
- 調査書:110点(14%)
総合型選抜の試験内容は、面接が導入されたり、配点に多少の変更はあれど、これまでの後期選抜とほとんど変わりません。
むしろ定員割合が80%に増えたので、従来の後期試験で受けようとしていた受験生にとっては合格しやすくなっています。
たかが10%の増加と思うかもしれませんが、定員が280名と多く28人の増加になるので、それなりにインパクトはあると思います。
<特色型選抜①>(定員の15%)
- 学力:650点(73%)
- 面接:45点(5%)
- 調査書:193点(22%)
<特色型選抜②>(定員の5%)
- 学力:650点(29%)
- 面接:60点(5%)
- 調査書:390点(35%)
特色型選抜はこれまでの前期試験と位置付けとしては同じものですが、入試という観点だと大きく変更されています。
こちらは次の章で取り上げます。
引用:令和6年度群馬県公立高等学校入学者選抜における「各高等学校の選抜方法等の概要」についてhttps://www.pref.gunma.jp/site/kyouiku/201711.html
新しい入試制度の影響と課題
変更点のポイントは以下です。
- これまでの前期試験が30%だったのに対し特色型選抜は20%と割合が減っている。
- 特色型選抜だとしても学力の比重が高い。
特に2点目は、これまでの前期試験では調査書+特活点が65%を締めていたのに対し、調査書の割合が多くても35.5%まで減っており、特色型選抜であっても相応の学力を有する学生でないと合格できないようになっています。
より学力が高い生徒を入学させたいという強い想いを感じます。
こちらの記事で紹介した通り、優秀層の中高一貫校への分散が進学実績に小さくない影響を与えるレベルまで来ているので、「入試選抜方法の変更」を機により学力重視に舵を切ったと推察できます。
まとめ
この記事では、県立前橋高等学校の2024年度以降の入試制度について詳しく見てきました。
今後の受験生や保護者の皆様に、新入試の対策をするにあたりお伝えしたいのは以下の2点です。
- 総合型・特色型に関わらず学力検査の650点をいかに取りこぼさないかを対策することが最重要
- それには早期から試験本番に向けた計画的な学習が不可欠
今回の入試制度改革で、県立前橋高等学校の「特色型選抜であっても学力があるのが大前提」という姿勢から学校として目指す方向性が見えたような気がします。
受験生としても、「とにかく学力試験で点が取れる対策をすべき」とやることが明確になり、個人的には対策がしやすくなったのではないかと思います。
今後は県内の他の公立高校(高崎高等学校、前橋女子高等学校、高崎女子高等学校)などについても、新入試制度の解説をしていきたいと思います。